【ロシアが侵攻準備?!】ウクライナのNATO加盟は実現すると思いますか?
Rick BrownによるPixabayからの画像
来年2022年早々にも、ロシアが17万人規模で、ウクライナに軍事侵攻を計画しているという。なんとも穏やかでないニュースが飛び込んできた。よほどウクライナが欲しいのか、それとも裏になにかがあるのか、気になるところだ。
対象記事:ロシア、ウクライナ国境に兵力集結
記事背景
ウクライナはNATOに加盟したい
参考:ロシアとアメリカ、そしてウクライナ
ロシアとアメリカ、ウクライナで戦争が起こるのか。なぜこうなったのか。現状はどうか。(わかりやすく)(今井佐緒里) - 個人 - Yahoo!ニュース
参考記事は長めだがわかりやすい上、実に詳しく解説している。情勢を詳しく知りたい方は読んでおいて損はないだろう。記事より抜粋する形で簡単に状況を述べると以下となっているようだ。
ウクライナは独立して30年あまりの国、かつてはソ連の一部であった。今でも新ロシア派は分離主義者と呼ばれており、2006年のごろから、ウクライナの東部に「ドネツク自治連邦共和国」を主張し、今でも内戦が続いている。ロシアがらみの内戦が続くウクライナは、自国の安全保障のためにどうしてもNATOに入りたい。
ロシアは地中海に出たい
先のドネツク自治連邦共和国がロシア領となれば、ロシアは確実にそして安全に、黒海から地中海へのルートが確保される。天然資源を経済の主軸に置いているロシアは、ヨーロッパ各地へ直接かつ安価に商売ができるというもの(今は陸上国を経由しているため通行料を払っている)。もちろん国防という意味でも最重要ルートである。
アメリカはヨーロッパ各国と絆を深めたい
欧州にとってはロシアの資源は欲しい。だが、パイプライン経由国のウクライナなどで問題が起きて、資源供給が不安定になることは避けたい。ウクライナをNATOにさせた場合、一層不安定になる可能性が出てくる。
アメリカのバイデン政権は、トランプ前政権が傷つけた、アメリカと欧州の伝統的な絆を復活させようとしている。アメリカは、欧州とロシアの状況を汲み取り、今年の5月に、ロシアからドイツに、バルト海経由で直接繋がっている「ノルド・ストリーム2」を解禁する融和策を打ちだしている。つまりはウクライナのNATO入りに難色を示した形だ。
ウクライナのNATO加盟は実現できるか?
さて、ウクライナのNATO加盟は実現できるのか、専門家のご意見はごもっともだろう。でも私は、世の皆さんがどう感じられたかの方が気になった。ということで、今回はこれについて調べてみようと思う。
賛成派:実現して欲しい 約80%
加盟は自由だ
「自主権のあるウクライナがNATOに加盟するのは自由なこと。ロシアは旧ソ連時代の領地を名残欲しいがために、ウクライナを西側に行かせたくないと思いますが、忘れてはならない。ウクライナはもう独立国家なのですよ」
内政干渉だ
「ウクライナがNATOに加盟してもしなくても、危機なんだから加盟した方がいいと思います。ロシアははっきり言って内政干渉です。ガスを売りたいんなら、まず軍隊を撤退させるべきだと思います」
アメリカもロシアも信じられない
「この報道、アメリカ側が報じたそうじゃないか。なんか胡散臭くないか? 真珠湾80年記念あったばかり、日本はなぜ戦争をしたんだ? いやさせられたんだよ。でもアメリカがいきなり核保有国のロシアにちょっかいを出すとも思えん。ロシアがNATO入りはレッドラインと言ったのも何かのサインなのでしょう」
「ウクライナには申し訳ないが、東部をロシアに渡して、NATOに加盟したら一番おさまるかもな」
それからこんな意見もありました
日本は悲劇
「本当に日本は悲劇だな。ロシアといい中国といい、専制国家とは自国の主権範囲を、いつも歴史を遡り拡大解釈して、こうやって堂々と他国に迷惑をかける。朝鮮だってそう。ワガママというかなんというか」
反対派:実現しない方がいい 約20%
NATOに正当性はない
「冷戦終結後、NATOはその存在自体に正当性がない。当時ゴルバチョフとの約束を破棄して東方各国を飲み込んだ。今や、NATOとは無関係の第3国(ユーゴスラビア、リビヤ、イラク)を空爆もする。西側寄りの報道はそのまま信じてはならない」
参考:2011リビア内戦
2011年リビア内戦 - Wikipedia
もう関係ない
「まさかと思うけど、来年早々って北京オリンピックだよね。ロシアはウクライナへ侵攻したら、同時に中国は台湾へ侵攻するのかな。これってその宣戦布告なんじゃ… ならウクライナが加盟するかどうかなんてもう関係ないじゃん。おいおすなよ、絶対だからな、みたいな。軽はずみなことはしない方がいいのではないでしょうか」
それからこんな意見がありました
先に動いたらダメ
「軍事圧力を見せつけて、アメリカやNATOの様子を伺っている段階だろう。先日の中国が台湾にしたようにね。これだけ多くの国が絡んでくるのだから、先に動いた方が分が悪いと感じます。なので、NATOには入らない方がいいんじゃないかな」
調査結果:感想
加盟は慎重に
「ウクライナのNATO加盟は実現しますか?」で調査をしたところ、「実現して欲しい」という賛成派が多数派で約80%でした。
賛成派の多くは、「加盟は自由だ」や「内政干渉だ」とのご意見のようだ。権利と言えばそうなのだが、少し残念なのは、ウクライナがNATOに加盟した場合のデメリットについて、述べている意見はあまりなかったかな。
反対派は約20%と少なかった。「NATOに正当性はない」とのご意見が見られたほか、「もう関係ない」と少し過激ぎみなご意見があった。正直に戦争なんてヤメてもらいたいものだが、ロシアと中国の真意はどこにあるのか、気になったかな。
ということで、世の皆さんは8:2で賛成派(ウクライナのNATO加盟は実現してほしい)のようでした。
みなさんはどう思いましたか?
私は、4:6で反対派(実現しない方がいい)
きな臭いなのは確かだろう。ウクライナがNATOに加盟すれば、ロシアは振り上げた拳を、形はどうであれ下ろす可能性はあるだろう。しかしロシアが地中海への道を戦争で潰すはずもないとも思う。アメリカやNATOが動けば、ロシアとて無傷ではいられない。
私は、あくまで素人の予感でしかないが、NATOはウクライナの加盟を受け入れないのではと思う。つまり、アメリカとEUの思いは、このままウクライナには、ロシアとの緩衝材になってもらった方が、なにかと都合がよいのではなかろうかと。
ウクライナと言えば、ロシアとアメリカの都合でウクライナ軍は実質解体させられているはず。NATOに加盟したところで、もしもロシアがベラルーシに攻撃を加えた場合など、ウクライナの戦力はほとんど期待できない。急いでアメリカから武器を買ったとて、扱える軍人もわずか。
そもそもウクライナはNATOに加盟したい理由は内戦を抑えるため。ここにきてロシアが動いたとなれば、大戦争なんかどの国もしたくないはず。だから、経済問題(パイプラインなど)の方にシフトするのが自然のような気がする。事実、ロシアがウクライナ侵攻なら、アメリカは5月に解禁した「ノルド・ストリーム2」の停止をチラつかせてきた。
参考:米はノルドストリーム2停止目指す
米はノルドストリーム2停止目指す、ロシアがウクライナ侵攻なら - Bloomberg
個人的には、ロシアはウクライナ経由して、黒海までは貿易で出ることは許すが、地中海には入れないという所で、一旦手を打つような気配がする。平たく言えば、ウクライナはNATOに加盟できず、かつ、ウクライナ東部をロシア併合への交渉をさせられる(もう一度言うがあくまで素人目線である)。
最後に、これは対岸の火事ではないと私は思う。ロシアは西に出るのが困難(時間がかかる)と判断すれば、次は東に出てくることだろう。そう我が日本の北方領土だ。これまでなかなか離さないのは、それ来た時の布石なのかもしれないことを、忘れてはならないかと。
参考:北方領土をロシアが絶対に手放さない明白な理由
いやいや、ウクライナ侵攻なら、日本は北方領土を返してもらうぞ! 日本の政治家は黙ってないで、このぐらいの「外交」をしてもらいたいものだ。