賛否から世界の今を見るブログ

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【2人で自販機に行こう】雑談・コミュニケーションって必要なのか?

 19日、サントリーが「社長のおごり自販機」の展開を開始した。雑談・コミュニケーションをもっと増やしたい狙いがあるという。この試みは一見良さそうだが、今の世、それほどに社内コミュニケーションが必要なのでしょうか。

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記事解説

 コロナ禍などでリモートワーク化が進み、会社に来る人も少なくなっている今、なぜ開発されたのか。サントリーの須野原氏は「社内のコミュニケーション活性化に貢献していきたい」とそのように開発の意図を語ったそうな。

参考記事:「雑談はプラスになる」と8割が回答

「雑談はプラスになる」と8割が回答 2021年「ビジネスパーソン1000人調査」で見えた雑談の効果:日本能率協会調べ(1/2 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

 日本能率協会による調査では、「雑談があることはプラスだと感じる」と回答した人が8割に上った一方、56.6%がコロナ禍で「雑談がしにくくなった」と答えている。

 この自販機のユニークなところは、社員ふたりがそろって同時に社員証をかざすと、なんと飲み物がタダになるというもの。もちろん、お金を投入すれば通常通りひとりで買うこともできる。

 自販機のネーミングが「社長のおごり自販機」となっている。お代は、もちろん社長のおごり……ではないらしく、設置先の法人負担、つまりこの自販機を設置した会社側の負担となっているようだ。

 自販機のネーミングやユニークさはともかく、そもそも、社内での雑談・コミュニケーションって必要なものでしょうか。会社には仕事に来ているのだから「雑談をもっとしましょう」と言われてもね。世の皆さんはどう感じたのでしょうか、調べてみようと思いました


賛成派のご意見 雑談は必要だ 約70%

人と話せるのはありがたい

「今の日本はマスクで表情もわからないし、しゃべる事がはばかられる雰囲気もあって、今後はコミュ力落ちて行く気がします。コミュ力が落ちれば結婚も減って少子化も進むし、人と話すキッカケって重要だと思います。」

「自販機の存在自体が話のきっかけになるのは間違いないだろう。慣れてきても休憩や昼休みに自販機前待機すらしちゃって見知らぬ同僚に話す人も出てくるかもね。飲み会はやりたくないけどちょっとした雑談はしたい人多いんじゃないかな?」

かつての喫煙所みたい

「いい取り組みだと思うよ。昔は喫煙所がいろんな情報交換や世間話などのコミニュケーションスペースだったけど、今は喫煙者が少ないからそういう時間はなくなったね。妙案は会議室より喫煙室、なんてね。」

社長の心意気は活力の素

「飲み物1つとはいえ社長に奢ってもらえるのなら、それだけでモチベーションは上がりますわ。普段会話する機会の少ない人とも仲良くできたり、そこから新しいビジネスチャンスに繋がればしめたものよ。」

それからこんな意見もありました

非喫煙者専用にしてほしい

タバコミュニケーションとか都合のいいこと言って、長らく戻って来ないやつらはなんなの。この自販機が導入されたら、そいつらタバコ部屋と自販機の両方で休憩するんだったらちょっと。雑談?タバコ辞めたらしてあげてもいいわよ。」


反対派のご意見 雑談は不要だ 約30%

雑談なんていらない

「飲食業なんで、業務の話以外は必要ないです。というか逆に雑談しまくっている連中がうるさい・うざくて仕方ないです。暇を持て余しているのかわかりませんが、雑談を聞いていると腹が立ってきます。」

雑談差別ですか?ひとりがいいという人や、協力派遣会社の人には辛い試みだよな。そんな自販機が社内に置いてあって、万一お金を入れて買っているとこ見られたら…明日から水筒を持っていかなくてはな。」

社長の好みが入ってきそうでやだ

「糖分過多とかでお茶とスポーツ飲料しか置いてなかったりしませんかね。それにその自販機は広々としたところに置かれるのでしょうかね。丸見えなところで、お茶を片手に、さあ雑談しろ。そんな光景が見えてきそうでちょっとやだ。」

恩を着せられてまで飲みたくない

わざわざ『社長のおごり』って表示されるのがね。恩着せがましく捉える人も一部にいるかも。社長にばったり会ったりしたら『ありがとうございます!』とか言わんといかんかな。で、社長も『おう!』って言うんかな。めんどくさいわ。」

それからこんな意見もありました

コミュニケーションは自然に

「この記事のような取り組みには賛同ですが、誰かに環境を与えてもらわないと進められない、それだと根本的な解決にはならないかと思います。自然とコミュニケーションを取れる気持ちになれることがベストだと思います。」


調査結果・感想

結局は利用する人次第

「雑談・コミュニケーションって必要なのか?」について調査を行なったところ、「雑談は必要だ」という賛成派のご意見は約70%ほどに登りました。一方、「雑談は不要だ」と言う反対派のご意見は約30%でした。

 強烈な意見として、反対派の「社長の好みが入ってきそうでやだ」がありました。見た瞬間、あー確かに!ありそうだと思いました。で付け加えるときっと中小企業なんだろうなと思いました(個人意見です)。

 皆さんはいかがですか? もしもこのような自販機があなたの会社の中に設置されたとしたら、受け入れますか? コロナ禍でリモートワークが進む中、人を集める試みはどうやら迎合ムードのようですね。約7割の人々はこれに賛成なのか、なるほど。

私は2:8で反対派(雑談は不要だ)です

 そもそも雑談とはなにか、そこに誤解があるような気が、私はしております。参考記事を2つほどご紹介いたします。

参考記事:雑談はマネジメントに有益

マネジメントに2つの効果 雑談を取り戻そう | 日経クロステック(xTECH)

参考記事:仕事に行きたくない理由、1位は人間関係

【仕事に行きたくない理由】ランキングTOP10! 1位は「人間関係に悩みがある」【2020年調査結果】(1/2) | ねとらぼ調査隊

 仕事において雑談は確かに有益なのでしょうが、しかし一方、仕事が嫌になるのも人と人との関係性にあります。この違いとは何か、それは「人か、事柄か」なのだと感じています。

 たとえば「父が入院した」「娘が家出をした」や「パワハラをされた」「性格を否定された」のような状態にある人は雑談をした場合、自然とそれらを口にしたくなることでしょう。しかしこれらを口にしたとて、雑談相手にはどうしようもないことではないでしょうか。

 一方、そうじゃない人は「残業したくないな」「担当じゃないことは断りたいな」とか「もっと早く仕事がしたい」「先方に気に入られるのには」など、これらを雑談で話し、先輩方からアドバイスをもらえたら、きっと有意義な時間になるでしょう。

 サントリーの社長さんはどう思われたかはわかりませんが、雑談は「事柄だけ」、つまり公私混同はするな、との暗黙の了解があるような気がしてなりません。社員とてひとりの人間、人生はいろいろあります、浮もあれば沈みもあります。

 なんでもいい、自分のその時の、その胸の内に抱えている気持ちを吐露してもいい、そんな時間が「雑談」なのだとしたら、はい!私も賛成派に変わりますよ。そんな会社あるのなら、ぜひ教えてもらいたいものです。

みなさんはどう思いましたか?

参考記事:「余談」と「雑談」

meaning-dictionary.com

会社側が求めているのは「雑談」ではなく「余談」なのではないでしょうか。